2013年5月19日日曜日

キャパシティを考える

先日、義妹の結婚式に参列するために、妻の実家を訪れた。
場所は、墨田区でスカイツリーのお膝元だ。
移動中のタクシーでドライバーが話しかけてくれた内容が、考えさせられるものであった。

スカイツリーの建設途中の3年8ヶ月は、押上周辺はとても潤ったが、今ではスカイツリーとそのショッピングモール、浅草と東武鉄道だけが潤っている。というものだった。

曰く、押上には観光バスを受け入れるだけの「キャパシティ」がないため、川向こうの浅草を拠点としたり、鉄道ツアーをからめたスペーシアで鬼怒川まで行くパッケージ旅行が、大流行りだそうだ。

翻って、押上周辺の商店街は、嘗て建設に従事していた方々で活況を呈していたが、今はバスや電車のツアーではパスされている。というものだった。

すなわち、スカイツリー及び周辺のキャパシティと、観光客の導線まで含めた環境がマッチしていないため、その影響をもろに受けた地元商店街が疲弊しているということだ。

これはひとつの見方として、正しいと思う。しかし、それが全てか?というと実情は少し異なるように思う。パッケージを組む会社、運行する会社、交通機関も組みやすい相手とビジネスをする。営利企業であれば当然のことだ。

では、地元商店街は、自らが組みやすい相手だと気付かせる活動を十分にできているのだろうか?
毎日大勢の観光客は、あらゆる場所から訪れているが、その旅行者に地元の良さ、特徴をしっかりアピール出来ているのだろうか?と考えると、チャンスはまだまだ沢山あるように思う。

私自身、スカイツリーオープン当時から、数回訪れているが地元をアピールする商材を多く扱った店舗も存在する。下町出身でありながら、え!このメーカー墨田区なの!!というものはいくつも存在する。老舗の技術の高い商材も多くあり、かくいう私も義妹に足袋をプレゼントしてもらった。しっかり測ってつくってもらう、ビスポーク(オーダーメイド)だ。

もっともっと地元をアピールし、昔ながらの良さ、墨田、延いては下町の知られていない一面を発信してもらいたいと願う。

これからアベノミクス効果で、多くの施設や場所が開発されるだろう。その時同種の問題は必ず起こる。受け入れる側は、待つだけに終始すると、期待は大きく裏切られることになってしまうだろう。寧ろ今こそチャンス。誰も知らない良さをアピールする千載一遇の時なのではないか?




1 件のコメント:

  1. 先生、私も同意見でございます。私も「零細企業」の経営者として「我々の努力不足、勉強不足」を痛感いたしております。

    「大企業」=悪、「零細企業」=善のようなマスコミの論調も「零細企業の甘やかし」の要因の一つと感じております。

    いまこそ我々「零細企業」が必死に「勉強」する時だと思われます。  乱筆、失礼いたしました

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